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ツインカム ギヤ化に伴うギヤのクリアランス測定。 バックラッシュとは?

ツインカムエンジンをギヤ化をする場合、問題となるドライブギヤの適正クリアランスというものがあります。 S&Sの場合、最低値は0.0005″~0.001″と定められており、 このクリアランスは、前後サイズを含め5種類ラインアップされているピニオンギヤのサイズで適正クリアランスへ調整します。

この適正クリアランスは少なすぎても大きすぎても、ギヤのノイズ 、すなわち バックラッシュ(Backlash) の原因となりますので適正な設備で測定しながら作業を進める必要があります。

こちらはギヤ化する前のカムテンショナーの摩耗状態、奥のセカンダリーは樹脂がなくなりチェーンと受けの金属が接触していて破断寸前でした。 走行距離は4万キロ弱です。

以下はギヤ化用のS&S 509Gカム と チェーン駆動のノーマルカム

ギヤ化に伴い、各ベアリングも新品に圧入して交換していきます。

今回の様に、ギヤ化することで今後 カムテンショナー交換という作業がなくなりますのでメリットもありますが、このバックラッシュ (ギヤ鳴きのノイズ音 ) はデメリットとなり得ます。  クランク シャフトの振れが大きすぎる腰下(クランク)ではこのバックラッシュ クリアランスが適正値へ収まりませんのでギヤ化は止めておいた方がよいでしょう。  今回はギリギリ適正値内に収まり、ノイズも出ませんでした。 スロットルを開けた時のダイレクト感はギヤ化の恩恵です!

 

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ツインカム カムテンショナーの摩耗とクランクシャフトの振れ

ツインカム乗りは避けられない整備項目となる、カム テンショナーの摩耗、交換、ギヤ化など対策の選択肢がいくつかありますので、TC88ツインカムユーザーでは走行距離4万kmの方は要注意ですね。 TC96 ユーザーは油圧式なのでもう少し距離に余裕がありますが、どちらもクランクシャフトがブレすぎているエンジンも見られますのでその場合はギヤ化は出来ません。  いずれにしても中で破断する前にチェックです!

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Twin CAMの弱点、TC88ユーザーさん、カムテンショナーは大丈夫? (TC88 ’99-’06)

ツインカムTC88はたいへん優れたエンジンですが、メンテナンスを怠れないカムテンショナー (Cam tensioner) 問題というのがあります。 早ければ走行距離 4万kmくらいから。 5~6万km走行の車両では、ほとんどこの様にテンショナーの摩耗がみられます。  当時、アメリカでは構造的問題と問題視された時期もありましたが、時は流れ今や9代目を張る ミルウォーキーエイト(Milwaukee-Eight)の時代。 最近では、定期メンテナンスを行いながら乗るものとして、あまり騒がれなくなりましたね。

先日、久しぶりにテンショナー交換をさせていただいたので改めてまたご案内したいと思います。 TC88の中古車両は金額的にも手頃な車両も多いと思います。 このトピックスは特にUSEDを購入した方こそ、知っておいて損はありませんね。

該当年式は、1999年~2006年式までのTC88車両となります。 

’96 DYNAと’97 TC96cu” 以降、テンショナーは油圧式となりましたので耐久性があがっているので今回は除きます。   また、関連部品ではインナー/アウターのベアリング問題、クランクシャフト問題、ボルトの強度など他にもメンテナンスどころはありますがそれらも今回は割愛します。

摩耗してしまったテンショナー

このテンショナーはどこにあるかと言うとカムカバーを外すと見えるカムチェーンとカムチェストプレートの外側と内側に2個付いています。

新品とすり減ったカムテンショナーの比較

ご覧の通り、カムチェーンとテンショナーは常に接触しているのでこの摩耗は避けられません。 もし放置してしまうとこの樹脂が無くなり金属部とチェーンが直接接触してきます。 残った樹脂は破断しバラバラとなってオイルと共にエンジンを循環してしまうと大変困った事態になります。

解決方法は、

① 定期的なテンショナーの交換 (HD純正推奨) 。

② テンショナー自体の油圧化/カムギヤ化等。

などあります。

クランクシャフトまで辿り着いたら、シャフトのブレを検査します。 もし、クランクシャフトが大きくブレてしまっているエンジンは、ギヤ化が出来ません。 HDの指定する許容値とギヤメーカーが指定する許容値は異なり、ギヤ化するには、より厳しい僅かな振れのみ使用できる設定になっています。
今回のエンジンは、テンショナーのみをリプレイスする予定でしたがクランクシャフトの振れの検査も行いました。 結果は003と既定値内の僅かなブレのみでした! 何よりです。

——–今回の作業参考——–
2001年式 TC88
DYNA LOWRIDER
走行距離 48000km

年間1万km以上走る人は油圧化した方が将来のメンテナンス費用が結果安く抑えられますね。
ご参考にしてみてください。

走行距離である程度判断できますが、もしカムカバーからシャカシャカ音が聞こえてきたら要注意です!
早めにメンテナンスを行いましょう。

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